松尾芭蕉の特集されたテレビ番組

松尾芭蕉の特集されたテレビ番組

投稿日:2017年5月1日 更新日:

芭蕉を取り上げた番組は、おおよそ3種類に分類できるでしょう。

  1. 芭蕉の文学そのものに光を当てるもの。
  2. 芭蕉の「旅」を紹介するもの。
  3. 芭蕉にまつわる伝説めいたものを検証するもの。

その時歴史が動いた」と「100分de名著」は芭蕉文学を、「歴史の道 歩き旅」は旅を紹介する番組です。

1、「その時歴史が動いた」(NHK)(2008年放送)

古池や蛙飛び込む水のおと~松尾芭蕉・人生を映した17文字

さまざまな資料をもとに、深い内容が理解しやすいように作られた番組です。
芭蕉が生きた時代の俳諧の意味を、「俳諧」「貞門」「談林」というキー・ワードによって解説しています。当時の江戸の熱気も伝わってきます。

芭蕉は江戸で俳諧の宗匠として人気を博します。
しかし、芭蕉の心には、俳諧は「ただの言葉遊びではないのか」という悩みが生まれ、人通りの多い日本橋から、寂しい深川に居を移しました。

「野ざらし紀行」の旅を経て到達した境地は、目の前の情景を飾ることなくありのままに描くことで初めて表現できるものがある、ということでした。

「古池や」の句は、古典の世界を脱し、伝統とは別の世界を開くものでした。
この句によって俳諧は芸術となりました。

それにしても、戦争や、政治上の大事件でもないのに、「歴史が動いた」とは、いささか大げさではないかしら? と疑問を抱く方もいらっしゃるでしょう。

いいえ、確かに、歴史は動いたのです。
芭蕉が「古池や」の句を作ったとき、詩歌の歴史が、いいえ、日本文学の歴史が動いたのです。

2、「100分de名著 おくのほそ道」(NHK)(2013年放送・NHKオンデマンドで視聴可能)

俳人の長谷川櫂氏と、女優の内山理名さんが、奥の細道の旅を追体験。その映像をもとに、伊集院光さんと竹内陶子さんも加わって、四人で『おくのほそ道』を語ります。

時間的には「歴史が動いた」のその後の芭蕉がわかる番組であり、「歴史~」と同じく長谷川氏の解釈を基本にしているので、内容が連続している点に安心感があります。

「古池や」の句の三年後、芭蕉はみちのくの歌枕を訪ねる旅に出発します。
よく知られていることですが、『おくのほそ道』は、単なる記録ではなく、意図をもって創作された作品です。

しかも、芭蕉が手元に置いて手を入れ続けて、緻密に練られた構成となっています。
その創られた部分の意味や、『おくのほそ道』の全体構成について、そうか、と気づかされることが多々ありました。

旅の経過とともに、芭蕉は「宇宙」という境地に達します。
そしてそれは「人との別れ」をとおして人生の意味へと目を向けさせました。
長谷川氏により、『おくのほそ道』の旅が、「不易流行」「軽み」へと結びついていく過程が、解き明かされます。

長谷川氏と内山さんの二人の旅の緊張感。(美しき男女の旅、というだけでも緊張感がありますが、文学的に芭蕉を追体験する旅には、どうしても修行的な雰囲気がつきまといます)

伊集院さんと竹内さんの醸し出すほのぼの感。その緩急のバランスが、絶妙。

3、「歴史の道 歩き旅  佐藤弘道 松尾芭蕉の足跡を辿る」(テレビ東京)(2016年放送)

朝の30分番組ですが、一週間を通して、あるテーマで一人のタレントが旅をするという趣向で、「旅」そのものの楽しさ、面白さを伝えてくれます。

ここでご紹介したのは、体操の「ひろみちお兄さん」が芭蕉の旅を辿って東北を旅する回です。こちらは、肩のこらない気楽な旅です。

先に立って歩くひろみちお兄さんの背中を見ながら、私もついていく!(ような気分になれます)
一緒に立石寺の階段を登り、うっとりとお兄さん……ではなく風景を眺め、共に芭蕉記念館に入る(ような気分になれます)。

芭蕉の真筆を前にして「いざ行かむ雪見にころぶところまで? ……深すぎて分かりませんね」「おしゃれですね」と明るく話すひろみちお兄さん。いい人です。絶対にいい人です。

「芭蕉の足跡を辿る」というサブタイトルですが、冷やしシャンプー、将棋の駒、サクランボの話など、芭蕉とは関係ないエピソードもぎっしり詰まっています。というか、その方が多いですね。

でも、そんなこと気にしません。だって、ひろみちお兄さんと一緒に旅行をしている(ような気分になれます)から!

 

芭蕉のアニメ化ってないのかな?

http://www.manga-anime-hondana.com/

-松尾芭蕉の特集されたテレビ番組

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

関連記事

関連記事はありませんでした